神語(かんがたり)

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スサノオの試練を無事に乗り越え、宝まで奪ってきたオオナムチ。国に戻ると八十神を打ち倒して、国土を統一します。葦原中国(地上の世界)の主、オオクニヌシとなりました。

さて、このオオクニヌシは多くの矛を持つ武神、ヤチホコとも呼ばれました。英雄色を好むといいますか、このヤチホコの名前で幾多の女神の元へ通います。正妻はスサオノの娘であるスセリビメ、先に娶っていたヤガミヒメ(因幡の白兎のお話しの時、求婚しに行ったヒメ)は後妻に遠慮して、実家に帰ってしまいます。

ある時ヤチホコは高志(こし)国(現在の北陸)のヌナカワヒメに求婚します。その家の前で、「鳥が鳴いたから夜が明けてしまった、鳥を撃ち殺してしまえ」と、恋しい気持ちを歌います。ヒメは「私はあなたのものですから、鳥は殺さないで」と歌を返し、翌日に結婚します。

これを知ったスセリビメは激しく嫉妬。その嫉妬は尋常ではなく、ヤガミヒメを呼び出した所、ヤガミヒメは嫉妬を恐れて逃げてしまいました。ヤチホコも妻の嫉妬深さには悩まされており、ついに別れの歌を送ります。するとスセリビメは「私にはあなたしかいません。ゆっくりと共寝しましよう」と、ヤチホコの気を引きます。

それを聞いて愛らしさが蘇ったのか、ヤチホコはスセリビメと酒を酌み交わして、以後は仲良く出雲に鎮座したのでした。

こうしたヤチホコの歌物語を神語(かんがたり)といい、男女の問答歌の始まりと言われています。

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